2014年に読んだ本 《コミック》
237冊。ライトノベルをほとんど読まなかった分、コミックが激増。
見開きやななめ読みなど紙の本には明確に劣る部分もあるものの、何百冊ものライブラリを300gに満たないデバイスで自由に持ち歩けるメリットが勝った。
九井諒子 『ひきだしにテラリウム』(短編集)
相変わらずこのアイデアが尽きないが作品ひとつひとつの印象が薄くなるのがやや惜しい。
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2013/03/16
- メディア: コミック
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三部けい 『僕だけがいない街』(5巻まで)
作品に描かれる北国の世界が自分の少年時代時とオーバーラップして切ない気持ちに。
- 作者: 三部けい
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/12/26
- メディア: コミック
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施川ユウキ 『バーナード嬢曰く。』(全1巻)
「名言」をネタにはじまった本作、一番の名セリフはむしろ登場人物から語られるのが面白い「ディックが死んで30年だぞ!今更初訳される話が面白いワケないだろ!!」
- 作者: 施川ユウキ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: コミック
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速水螺旋人 『大砲とスタンプ』(4巻まで)
以前ヘミングウェイの「武器よさらば」を読み、戦時下の日常と死が隣り合わせの作品というものについて考えることがあったが、戦時下の占領地を舞台とする本作はまさにそんな作品。コメディ的な展開に笑っているうちに死人が出る。
- 作者: 速水螺旋人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: コミック
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沙村広明 『幻想ギネコグラシー』(短編集)
長い長い連載を終えた作家が精も魂も尽き果て、満を持して発表した作品も往事の勢いに遥か遠くという例は枚挙に暇ないが、著者の場合はそうした不安は杞憂というものだろう。どこからこれだけのアイデアが湧き出てくるのか。
- 作者: 沙村広明
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2014/03/26
- メディア: コミック
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鈴木小波 『ホクサイと飯』(全1巻)
ありあわせの食材から作るなんのことない日常飯なのにうまそうだが、主人公のエネルギーが何にも増して魅力的である。元気のないときにしばしば再読した、同人誌のかたちで発表された続編『ホクサイと飯 おかわり』も必読。
- 作者: 鈴木小波
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/10/22
- メディア: コミック
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杉浦日向子 『百日紅』(上・下)
今年(2015年)に劇場アニメ化ということで手にとった。江戸風俗研究家としても知られた著者が遺した最長の連作集。文化文政時代を追体験できる。
- 作者: 杉浦日向子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1996/12
- メディア: 文庫
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荒川 弘 『百姓貴族』(3巻まで)
心とアタマが疲れているときに、字が比較的多めのエッセイ漫画というのはどうかと思ったが意外に合う。
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: コミック
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いけだたかし 『34歳無職さん』(5巻まで)
冬の日差しのような白を基調とした画面構成、そこを流れるスローな時間に癒された。
- 作者: いけだたかし
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2014/09/23
- メディア: コミック
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小原 愼司 『地球戦争』(4巻まで)
著者の代表作「二十面相の娘」でやや消化不良と感じたテーマ「少年少女の成長と自立」が本作では無理なく語られている、作中の場面を切り取った銅版画風のシーンもよい。ほかに『二十面相の娘』、『コジカは正義の味方じゃない』も。
地球戦争 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 小原愼司
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: コミック
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野村亮馬 『キヌ六』(全2巻)
今年のベストを一作あげるとすると本作に尽きる。20世紀初頭に大英帝国がテクノロジーを爆発的に発展させた「もうひとつの2000年」という、前作『ベントラーベントラー』とは趣を異にする作品だが、サイバーパンクの再評価とスチームパンク成熟期の今こそ読むべき作品と思う。
- 作者: 野村亮馬
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/02/21
- メディア: コミック
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- 作者: 野村亮馬
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/07/23
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平方イコルスン 『成程』(短編集)
匿名的な登場人物、本筋に絡んでいるのか絡まないのか皆目不明の会話、日常にそっと差し込まれる奇妙な行動や設定、そして読後にいつまでも残る後味。これが才能なのだと思う。最近電子書籍になったが、ミッチリ詰まったコマ割りを含めての作品なのでB4紙版を強くお勧めしたい。
- 作者: 平方イコルスン
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: コミック
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福島聡 『星屑ニーナ』(全4巻)
前作『機動旅団八福神』(全10巻)は「攻殻機動隊SAC」や「機龍警察」にも通じるハードな世界観だったが、本作では一転表紙もカラフル、鳥山明の作品を思わせる世界に当初は戸惑う。読み進めるうちにどんどん流れる作中時間のスピードと行きつ戻りつする時間にめまいを感じる。
- 作者: 福島聡
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2014/01/14
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三宅 乱丈 『イムリ』(16巻まで)
- 作者: 三宅乱丈
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2014/10/25
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丸川トモヒロ『成恵の世界』(全13巻)
80年代的なコメディの枠組みを流用しつつキャラクタ、設定ともにゼロ年代の作品としてアップデートされている。一見ご都合主義にも見える設定が最終巻に向けての緻密な伏線となっていることに気づき息を呑む。
- 作者: 丸川トモヒロ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2013/02/21
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樫木 祐人『ハクメイとミコチ』(2巻まで)
紙面にみっしりと書き込まれた世界に癒されキャラクタたちに元気づけられる。そしてお腹が空く。
- 作者: 樫木祐人
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2014/01/14
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近藤ようこ『五色の舟』(全1巻)
津原泰水『11 -eleven-』所収同名作の忠実なコミカライズだが、作者でしかなしえない「作品」となっていることに驚く。
- 作者: 近藤ようこ,津原泰水
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2014/03/24
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吉田覚 『働かないふたり』(3巻まで)
ひきこもり兄妹の将来に一抹の不安を感じなくもないが、箱庭的世界の心地よさに浸る。
- 作者: 吉田覚
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/11/08
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つばな 『第七女子会彷徨』(8巻まで)
- 作者: つばな
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2014/11/13
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ヤマザキマリ とり・みき 『プリニウス』(1巻まで)
この二人の合作と聞き、その意図を測りかねていたが、1ページ目で納得。中年男のたるんだあごの線をこれだけ美しく描ける作家はヤマザキマリをおいてはいないし、石積や日干し煉瓦の質感、路傍に転がる小石に至るまで無機物に確かな存在感を吹き込むのがとり・みきほど巧い作家はいない。
- 作者: ヤマザキマリ,とり・みき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/07/09
- メディア: コミック
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諸星大二郎『瓜子姫の夜・シンデレラの朝』
- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: コミック
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ジャン=ミシェル・シャルリエ/ジャン・ジロー『ブルーベリー 黄金の銃弾と亡霊』
メビウスの別名義の西部劇コミックシリーズの翻訳。みっしりと書き込まれたアクの強い登場人物とじりじりと音が聞こえてくるような砂漠の情景にしばし時間を忘れる。
- 作者: ジャン=ミシェル・シャルリエ,ジャン・ジロー=メビウス,原正人
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/08/10
- メディア: 単行本
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オノ・ナツメ『つらつらわらじ 備前熊田家参勤絵巻』
備前国から江戸への参勤交代を、はっきりとした線で描かれる頭身デフォルメのきいた人物とキャラクタ造形のリアルさのギャップが面白い。
- 作者: オノ・ナツメ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: コミック
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